Pell Mell : The Bumper Crop
ARTIST / Pell Mell
TITLE / The Bumper Crop
LABEL / sst records
DATE / 1987
TITLE / The Bumper Crop
LABEL / sst records
DATE / 1987
1048。さてこのブログを執筆している筆者の関心からいって、Pell Mellをレビューしないわけにはいかないのは当然です。これまで、「Pell Mellも知らないくせに」と暗にご批判していた方々がいたとしても当然だと思います。sstの重要性を考えるとき、Pell Mellをはずすことはできないと思います。83年から84年にかけて製作された実質的な1stであり、本来は84年にrough tradeからリリースされるようでしたが、何かしらの理由で実現されず、3年後にようやくsstからリリースされたといういわくつきの盤です。もし84年にニューウェーブの熱さめやらぬ頃にその現場であるrough trade出ていたならば、と想像すると勃起してしまいそうです。時代考証を行っていないので、実際にリリースされていたから何か変わったかどうかは浅薄な知識による空想ですけれども、この盤を聴くと当時としてはすごい新しかったのではないかと思ってしまうのも無理ありません。Steve Fiskというオルタナを語る上で欠かせない人物がメンバであったことは当然はずすことのできない重要な史実です。彼にRobert Berrman、Greg Freemanそして当時はBill Owenという人を加えた4人を中心にPell Mellは構成されています。ベース、ドラム、ビター、キーボードという基本的なバンドスタイルでこの伝説的バンドが奏でるのはキャッチなインストです。昨今ででいえばFive Styleのような、といえばわかるでしょうか。Five Styleの方法論はPell Mellを模倣したバンドであったに過ぎないということになります。sub popということもSteve Fiskの文脈でPell Mellを知っている人ならば当然注目していただろう。インストという観点からいえばFrank Zappaを忘れることができないし、名だたるプログレバンドがすでにロックという形式的枠組みで実行していたのだが、Pell Mellのやっているのは軽快さがある。ん、ちょっと明確に区別できないけれどもFive StyleとZappaの実践を同一のものとして捉えることは直感的にできない、というような。・・・あれ、結局一緒なのかもしれんな。まあいいや。少なくとも僕はPell Mellを聴いて、その90年代後半的な斬新さに度肝を抜かれたのだからそれでよしとする。残念ながら、この盤も容易に手に入らないかもしれないけれども、チナマコになって歴史を目撃するべきである。geffenなどのメジャーどころからも90年代に入ってリリースしているからそれなら手に入る気がする。この盤とどのように変化しているかわからないが。80年代前半でこの乾いた感性、素晴らしいといわずして何というかね。