The Yellow Wallpaper : S/T
ARTIST / The Yellow Wallpaper
TITLE / S/T
LABEL / galaxia
DATE / 1999
TITLE / S/T
LABEL / galaxia
DATE / 1999
ルイヴィル出身のMatthew RonayとBen BrantleyによるユニットがTommy Guerreroでおなじみのgalaxiaよりリリース。英米文学Charlotte Perkins Gilmanによる同名小説がユニット名と鳴っているが、何か関係があるのだろうか。人力っぽくないドラムプレイとシンセらしいメロディラインからなる作風。残念ながらこの手の音楽は他にもたくさん類似物があり、そこでかなりの名作が生み出されているから、Yhe Yellow Wallpaperによるこの盤は少し物足りなさが残る内容である。清涼感のある疾走する曲はPeleが大成しているし、打ち込みのような演出は、IDMによって無数に美しい作品が生まれている。あるいはこれを人力でやるということに意義があるのかもしれないが、人力かどうか判断がつかない部分がある。メロディをつむぐほうは結構トロニカ文脈に近い叙情性を発揮しており、好感が持てるかもしれない。しかし結局のところ全体性があまり確保されず、ばたばたとしている印象を受ける。うまくないと切り捨てることは恐れ多いけれども、綱渡りな接合によって聴いているこちらがよろよろどきどきしてしまう。まだ試行錯誤の段階なのだろう。アコギを用いた方法は新しさにかけるが他の曲に比べるとかなり聴きやすい。新譜での洗練が期待される。