Lineland : Pavilion
ARTIST / Lineland
TITLE / Pavilion
LABEL / audio dregs
DATE / 2003
TITLE / Pavilion
LABEL / audio dregs
DATE / 2003
ジャケデザインはこのテイストからわかるようにレーベル主宰者のE*Rockです。Malcolm FelderによるLinelandはその名前をSF作家エドウィン・アボットによる『二次元の世界』にでてくる一次元の世界の名前からとったらしい。複層性もあり、音が複雑に編み上げられており、各音の粒感も強い。つむぎ出されるポップ感覚によってaudio dregsの作風と見事に合致しており、口当たりのよい、悪く言えば巷に反乱する盤となっている。信頼できるレーベルを発見しさえすれば、あとはそのリリースに従うことによって自分の気に入る音楽を苦労なく手に入れることができるという、ある種理想的な状態があるが、それは常に逸脱することによってヴァリアントを緩やかに纏め上げるサークルになることが個人的に求められるように思う。というかそういうレーベルが面白い。audio dregsは現在のところイメージから外れるようなリリースはなく(もしかしたらGlobal Goonなどはそうかもしれないが)、その意味では安定しているが、ある意味ではつまらない。結局僕自身が、すでにこの手の音楽に食傷気味であることに由来するのかもしれない。もちろんaudio dregsの盤を1枚も聴いた事がない人ならば、是非数枚は聞くべきだと思うし、この手の音楽で最高水準の盤をaudio dregsなら提供してくれるはずである。