John Zorn : Naked City
ARTIST / John Zorn
TITLE / Naked City
LABEL / nonsuch(elektra)
DATE / 1989
TITLE / Naked City
LABEL / nonsuch(elektra)
DATE / 1989
日本でもっとも有名な海外のアヴァンギャルド音楽家といえるJohn Zorn。彼が運営するtzadikの盤がニューヨークの美術館でたくさん販売されていたことが思い出される。基本手kにジャズ畑のサックスプレイヤーという認識でよいはずだが、作曲家としても活動している。前衛・実験と称される作風の作家たちと根こそぎ競演し、ジャズ界からもはみ出していく。この盤が発売されたあたりに結成されたその名もNaked CityはそのようなJohn Zornのジャズ以外のポピュラー音楽を取り込んでいく方向へと進展する。おそらくこの盤を構成しているメンバによって結成されたNaked Cityの他にも自身のソロで1年に数枚のペースで盤をリリースしている。現在のZappaの地位を狙っているかのような精力的活動である。そんなJohn Zornの盤のどれが一番名盤なのか、という問いが生じてしかるべきだが、とりあえず僕でも見た事のあったこの盤あたりはNaked Cityの端緒としても重要なのではないか。僕が見た事あった原因はおそらく裏カバー絵に使われている丸尾末広の絵によってなのだが、たしかに末広先生との相性もよさそうな地下ぶりである。ジェイムズボンドのテーマに始まり、多くの映画音楽をカバーしているのがミソなのかもしれない。Henry CowのFred Frith、BoredomsのYamatsuka Eyeなどとともに作り上げたジャズからの逸脱このうえないほぼインストの作品集は、その奇妙さによって多くの人々にアピールする魅力を持っているように思う。ややコケティッシュな印象が、少し鼻につくので、僕はあまり好みではないが。