Donald Fagen : The Nightfly
ARTIST / Donald Fagen
TITLE / The Nightfly
LABEL / warner bros.
DATE / 1982
TITLE / The Nightfly
LABEL / warner bros.
DATE / 1982
何も語るまい。それが名盤の証。聴く事でしか分からない。それが名盤の証。Steely Danの片割れ、天才Donald Fagenの何もかもが有名な1st。ジャケも見たことあるに違いない。この言い切りは常に避けられるべき、自己了解の押し付けであるが、せめてこの盤くらいはそうさせて欲しい。Lサイドからこの盤を借りたのがいつだったか覚えていないが、少なくともSteely Danにはまって以降だったと思う。違うかもしれない。さすがに名盤は持っとこうと思って買いました。まあ何も語るまい、で済んでしまうのは、絶対に名盤100枚などの企画で選出されているからです。2006年にはソロでの新譜"Morph The Cat"も発表され、絶対に買うと意気込んでいたのだが、完全に失念していた。この盤をレビューする段にあたり思い出しました。有名なM1のイントロを聴くと、ややドキッとするのは、あまりにも軽薄な80年代の音処理がここでも顔をちらつかせているからである。Donlad Fagenに厚き信頼を置くという先入観がなければ、初めてこれを聴いたときは嫌悪感を示したかもしれない。しかしそんなことにとらわれず、ギター、ドラム、ベース、鍵盤などそれぞれの楽器の一音一音がヒロイックな精度に満ちており、そこにしびれざるをえない。このあたりを考えると自分が音響的な部分のみを好んでいるわけではないことが分かる。ピタ、ピタ、としかるべき完璧さを備えた演奏はしびれないわけにはいかない。パンクとかヒップホップとかもいいと思うけれども、とりあえず正座してこの盤を聴こうよ、というのが、メッセージである。この盤がかっこいいと思えるならば、このブログなんて見なくてもよいと思う。蛇足だが、個人的な発見としてM1がStevie Wonderの曲にも似ていると思ったり。Steely Danがまた10年以内でもいいから盤を出してくれることを祈る。