Damien Jurado : Just In Time For Something
ARTIST / Damien Jurado
TITLE / Just In Time For Something
LABEL / secretly canadian
DATE / 2004
TITLE / Just In Time For Something
LABEL / secretly canadian
DATE / 2004
1002。拾ってきたオープン・リールのテープ・レコーダでさらっと録音されたEP。そのようなことをいわれて何を感じればよいのかわからないけれども、捨象されたテクスチャに耳を凝らすよりも歌を聴いてくれということか、ざらついた素の音質の悪さに美的質を看取しろということなのか、その辺は各人の状況に合わせて柔軟に対応することが求められる。90年代中盤からsub popで活動していたようで、パッとでの新人というわけではありませんから、自信があってこのような手法を採用したのだと考えることにしよう。sub pop時代にPell MellのSteve FiskやPedro The LionのDavid Bazanがプロデを行っていたようでしっとりと聴かせるものを録っているとは想像できないが、この盤で聴かせるアコギ一本でのアプローチは、secretly canadianのしっとり部門にかなうべく変則的なものなのかもしれない。EPということを鑑みて、いつものように大見得を切って評価することは避けるが、かなりよいウタを生み出しているといえる。耳あたりもよく、普通によいウタを作る力量を見せ付けられる。これがキャリアのなす業なのか、元来のセンスなのかは過去盤を検討することが明らかになるだろうが、少なくともこの段階では素敵である。secretly canadianのしっとり部門も結構触れてきたと思うのだが、そのなかでも退屈せずに昆布性も主張していて好感が持てる。がつがつせずに、とりあえず、なんとなく、気晴らしに、そんな態度で応答してくれるよい作家だと思う。まあまたEPをつかまされたところは切れるべきところだが。