Steely Dan : Can't Buy A Thrill
ARTIST /Steely Dan
TITLE / Can't Buy A Thrill
LABEL / mca
DATE / 1972
TITLE / Can't Buy A Thrill
LABEL / mca
DATE / 1972
ここから歴史は始まった、という。そんなSteely Danの1stです。72年。いい時代です。今でも新作をリリースすればグラミーを掻っ攫っていくわけですから頭が上がりません。僕のSteely Danへの敬愛もつのり募って、少しずつではありますが公式盤も集まってきました。何度も言うようですが、やはり"Aja"なのですけれども、同じ人々がやっているわけですから、というかWalter BeckerとDonald Fagenが作っているわけですから、それほど侮る必要もない。僕が好きな作家たちは大概1stがよくて、徐々に好ましくなくなっていくのですけれども、The Beatles、The Beach Boysなどと同様、Steely Danも1stから進化していき、中盤で最高の作品をリリースするのですね。どういうことなのでしょうか。昨今の新人の人たちにはあまり見られない向上心の高さ。もちろん時代とともにポピュラー音楽も洗練されていくわけですから、その波に乗っていく偉大なる先達が進化していくのは当然の結果かもしれません。さて、この1stは曲者です。確かにSteely Danに僕が求めるものはまだ片鱗しかないのですけれども、時代に飲まれない名曲が並んでおります。ボーカルにやや独自の渋みがありますが、これはこの時期にボーカルを務めたDavid Palmerによるもの。彼はその後Carole Kingなどと仕事をしたらしいが、このつながりは得てして納得できるものかもしれない。たしかにここにはCarloe Kingの歌心に近いものがある。つまり、素直に記憶に残るよい曲である。やや僕の琴線をくすぐる質が異なる感じがするのですが、これまで進化といってきましたけれども、言い換える必要があるかもしれない。つまり方向性をずらしたということ。この1stが名盤であるということ。これがあれば飯が何杯でも食えるということ。