KPT.Michi.Gan : S/T
ARTIST / KPT.Michi.Gan
TITLE / S/T
LABEL / aesthetics
DATE / 2004
TITLE / S/T
LABEL / aesthetics
DATE / 2004
Schneider TMことDirk Dresselhausとの交流やJürgen De BlondeとのプロジェクトSuper Reverb 、あるいはTuesday Weldのメンバとしてsupermodernから盤をリリースするなど、文脈的には完全にドイツなMichael Beckettのソロ名義KPT.Michi.Ganがシカゴの前衛aestheticsからリリースした作品。おそらく3rdあたりだと考えられる。全体にいきわたるノイズの這いずり回り。こう記述すると、ときにKecin Drummのような圧倒と拒絶を想起するかもしれないが、こちらはそれほどダンディズムに溢れているわけではありません。根底に流れているのは牧歌性を秘めた素朴さであり、ギターのアルペジオなどがその感情の表出を演出する。迷い込んだ見ず知らずの街、そこでエイリアンは道を巡り、人にジェスチャでメッセージを伝える。しかしエイリアンにとっては多くの自明なことが成立していないという混乱。ここはどこだろうという混乱がある。しかしある程度共通了解としての雑踏が、ここではあらゆる異質な土地の牧歌性に侵食し、声を、ギターを、それらのメロディを食らい尽くす。ストリングスは軋み、展開は重く沈む。心地の悪いそわそわが、この作品によって部屋の中を満たし、馴染みの空間を見ず知らずの場所にしてくれる。僕はエイリアンになり、そこから抜け出すための情報を探しはじめる。