S.Isabella : Pleroma
ARTIST / S.Isabella
TITLE / Pleroma
LABEL / xerxes
DATE / 1998
TITLE / Pleroma
LABEL / xerxes
DATE / 1998
Artificial Memory Trace、Government Alpha、長谷川洋ことAstro、Macronympha、Steve Eto、Peter ZinckenことOdal、Ber、Dead Body Love、K2、Lasse Marhaug、Meeuw、05年に亡くなった田野幸治ことMsbr、PBK、Stabat Morsといった知っている人は知っている世界の人々から音源を提供してもらい製作した盤、S.Isabellaはxerxesを運営するYasutoshi Yoshidaの別名義、彼はGovernment Alphaの名義でよく知られており、90年代から積極的に作品をリリースし続けている、Merzbowら日本が世界的に(よいっても人口の絶対数では著しく知られていないだろうが)誇れる数少ない音楽シーンのひとつであるノイズを継承しようとしているのかもしれない、当然ながらxerzesは日本のレーベルということになる、試みとしての斬新さはそれほど高くないかもしれないが、さすがにノイズで勝負しようというだけあって、音圧で威嚇するだけではない深みがある、カラフルということはできないだろうが、水墨画のような濃淡がノイズにはあるので、そこからごてごてした旋律中心主義的音楽よりも、幽玄の世界に近接する、たゆたうようなサウンド・ウェーブは決して饒舌に己を語らないけれども、確実にわれわれに重く接触している、それは音楽を途中で一時停止するばすぐに了解できるだろう、ふっと頭が軽くなり、それまで何かが脳幹その他に纏わりついていたことがわかる、しかしそのじっくりと麻痺しながら頭を食われていく感覚は他の体験と交換可能なものではないように思う、そこにノイズの価値があるだろう、獣の声などのフィールド・レコーディングを混ぜ込まれた各曲は、ときに世界を虚構化しながらも真実に接近しようとしているのかもしれない、もちろんこのことに関して言えば僕は評価しなけれども