Midwest : Town And Country
ARTIST / Midwest
TITLE / Town And Country
LABEL / homesleep
DATE / 2002
TITLE / Town And Country
LABEL / homesleep
DATE / 2002
まったく何の文字やそれが喚起する連想によらずに盤を買うときがある、そのとき重要な役割を果たすのがジャケ写であり、それを見てその音楽性、あるいはそこまでいかなくてもこの盤を作った人間のセンスを嗅ぎ取る、たとえその音楽を作った人がそれをデザインしていないとしても、そこには音楽を作るものとイメージをつくるものの間に了解がある、そのような読みをしていくと、だいたいジャンルないし傾向、あるいはスタンスというものが緩やかにジャケ写によってまとめられるということがありうる、それはレーベルほど強力な境界をしかないけれども、聴衆の視覚的趣味とも感応するという点で、新しい面白さがある、とはいえ僕がこの盤を買ったのは、別にこのジャケが好きだからというわけではないという逃げ口上も打っておく必要がある気がする、買ってもいいかな、もし当たりならよいし、はずれなら売りさばいても損はしないだろう、という予想が働く場合にのみ、最近ではジャケ買いをするようにしている、昔は音楽的趣味も狭かったので、結構積極的に特定ジャンルを狙ってジャケ買いをし、裏切られ、趣味の幅が広がったという経験も多かったかもしれない、さて、そんなたいてい左から右へと流されていく、何だかよくわからない盤のなかでこのレビューで紹介してもよいかな、と思ったのがこの盤、とはいえ長々と書いてきたけれどもそれほど鮮やかな盤ではない、至って平凡な盤である、レーベルのhomesleepはイタリアのレーベルで個人的には珍しい、というかそれが今回僕を動かした大きな動機かもしれない、CarifoneがOrsoというバンドとシングルを出していたりするが、多分それほど有名でないと勝手に想像している、スローな三拍子によって、歌を少しばかり混ぜながらでお届けされるこの作品はやや強めの牧歌性を持ち、カントリー・ミュージックのような様相を見せている、爪弾かれるギター、憂いを帯びた声、一切このジャケとは矛盾しないたおやかさ、うん、まあそれだけ、ちょっと腹が痛いんです、