David Toop : 37th Floor At Sunset - Music For Mondophrenetic
ARTIST / David Toop
TITLE / 37th Floor At Sunset - Music For Mondophrenetic™
LABEL / sub rosa
DATE / 2000
TITLE / 37th Floor At Sunset - Music For Mondophrenetic™
LABEL / sub rosa
DATE / 2000
Brian Enoが主催するObscureから記念すべき1stをリリースしたのが1975年、そのようなキャリアがゆえに許される美術館やギャラリーにいわゆる「飾られる」音楽というものを製作していると考えるべきなのだろうか、David Toopによる6枚目の作品です、ブリュッセルで行われたマルチメディア・インスタレーションのために製作された音楽ということからもそのようなハイ・カルチャへとアピールするかのような姿勢を見て取るというのは僕のうがった考えだろうか、Brian Eno、John Zorn、Jon Hassell、Derek Bailey、細野晴臣、Bill Laswellなどなどの純然たるポピュラー音楽からは少し逸脱する流れを持った人々との仕事というのもDavid Toopの上記のようなある種御高くとまった印象を強めているように思う、この盤を聴く限りではパルス音などに繊細さを感じるもののやや大時代的なものを引きずっているようにも感じられるかもしれない、実験(という名の暗さを持った)アンビエントである、荒涼感が強めで、Brian Enoを至高界とすればこちらは魔界である、もちろんこれはDavid Toopの全作品に共通することではないだろう、よい意味で貫禄と雰囲気があるが、悪い意味で退屈で凡庸という感じだろうか、これはもちろん平凡で俗な素人の聴体験に過ぎないけれども、まあ彼が生み出してきたコンテクストから離れてとりあえず音楽を聴いてみるということが要求されるように思う、とはいうもののインスタレーションである以上、音だけが切り離されることはまったく無価値なものに還元されたといっても過言ではないので、実のところこの盤を作品と呼ぶこと自体まったくのとんちんかんであるというほうが適切なのかもしれない