Mekons : Punk Rock
ARTIST / Mekons
TITLE / Punk Rock
LABEL / quarterstick records(touch & go)
DATE / 2004
TITLE / Punk Rock
LABEL / quarterstick records(touch & go)
DATE / 2004
以前はquaterstickによってリイシューされた盤(参考:1)を紹介しました、もうそれでそれ以上音を確認する必要はないかなと思っていたのだが、さすがにこの直球のタイトルを突きつけられると手にとってしまいます。以前買った盤が少し拍子抜けなほど軽かったので、正直それほど期待もなかったのですが、この盤は初期とはかなり雰囲気を異にしています。カントリーを基調としたポップス性はもはや見る影もなく、やや憂鬱な旋律を持つ声と、下へ沈んでいく演奏は90年台touch & goに近い。というか知らなかったのだが、実はここのドラマーSteve Gouldingは元Gang Of Fourらしい。Gang Of Fourが解散する前に2年ほど在籍したという。なので'Entertainment!'には参加していないが、一応Mekonsは連綿とした流れのなかに属するバンドのようだ。またギターやバンジョーを操るJon LangfordはBauhausなどと肩を並べるガチゴス周辺のThe Sisters Of Mercyのメンバだったこともあるという。晃考えるとどうもニューウェーブの遺産のなかでMekonsを考える妥当性はやはり高いようだ。なるほど。そういわれてみれば確かにそんな残り香があったりなかったりする。まあこの社会的ないし背景的な要請によって僕らは音楽を聴いているわけであるからこの、概念というのもがカント的な美的判断と響きあうわけはない
。まあそれは置いておいて、「今やる必要性」という言葉を僕は頻繁に持ち出すけれども、それを使うときに電子関係を除けば、特に否定的なニュアンスをこめているわけではない、ということを前を気に、この人たちのおそらく新譜であるこの盤は確かに2004年にやる必要性を問えば、そんなものはないかもしれない。しかし革新性というものを度外視して、気に入るものを演奏する、ないしはそれを享受するという立場であれば、「今やる必要性」などは個的なものへと収斂し、そしてそれは肯定されるだろう。そのことはこのタイトルになによりも現れている。つまりポピュラー音楽史における必要性と個的な欲求に基づく必要性は異なるということだ。何はともあれ、以前挙げた"The Mekons Honky Tonkin' "よりは今の僕の必要性にはあった盤といえるかもしれない。良い盤である。