Sir Dupermann : Sir Dupermann
ARTIST / Sir Dupermann
TITLE / Sir Dupermann
LABEL / smalltown soupersound
DATE / 2002
TITLE / Sir Dupermann
LABEL / smalltown soupersound
DATE / 2002
Jaga Jazzistの名盤'A Livingroom Hush'などのプロデュースでおなじみのJørgen TræenのSir Dupermannというプロジェクト、1st、きらびやかな粒がばら撒かれる洗練された一枚になっている、Jazzkammerと組むなどノイズ系への造詣も示しているように感じられるが、この盤にあるのはたとえばM4に現れているように濃縮された粒と描かれる叙情性のかけらである、きらびやかさは常に表層に漂うときに表皮としての音楽はそこに隠し持っているものがあるのか、それとも上っ面だけのものなのかという問題に突き当たる、下手をするとプロデという役割をになってきた彼にとっては常に後者である可能性がある、プロデする対象が自分自身であるということは了承できない、プロデされるべき仮想化された何かが構築されるが、その空っぽを覆い隠すために装飾が密に構成されていく、そんな可能性、生まれ来る天才、独創性といいかえてもいいが、そのようなものが自分自身の暗い深みから沸いているのか、ということ、端的にいえば「歌うべき歌はあるのか」ということだ、つまりそれを保証してくれる断片としての叙情性がどこまで説得的に彼のものであるのか、そういうことを考えながら少なくとも表面は洗練されている世界を楽しむ事ができると思う、ミレニアムらしい音と感性を讃えている