Funkadelic : Maggot Brain
ARTIST / Funkadelic
TITLE / Maggot Brain
LABEL / westbound records
DATE / 1971
TITLE / Maggot Brain
LABEL / westbound records
DATE / 1971
名盤というのはすでに音楽だけ抽出されるわけではないというのは自明のことである、ジャケの強力さは常に名盤の側面に立っている、視覚イメージによる効果というのは付随的な影響として、音楽にとって非本質であるという従来の美学による純粋主義はもはやあまり意味をなさないという、ポップ・ミュージックを扱うという場合に避けて通ることができないジャケというものはもう少し丁寧にとらえられる必要があった、King Crimson、Pink Floyd、The Velvet Undergoround、The Beatlesと挙げ出せば切りがない強烈なイメージをプリントした商品を生み出し続けた偉人たち、彼らの表彰とでもいうべきイメージは彼ら自身の音楽を包む皮膚として機能する、その皮膚は完全に脱物質化しておりわれわれに差し出されている、その無限にあふれ出すイメージにもかかわらずそれに与えられている強力さによってもはや既存の視覚芸術には決して与えられない価値を備えるようになる、いうまでもなく往々にしてイメージはそれが包む音楽とともに提示され、それが強力さをいっそう確保している、そしてFunkadelicによるこの'Maggot BArrain'も強力すぎる視覚的イメージによってその名盤の価値を半ば既に確保している、George Clinton擁するFunkadelicが世に送り出したこの作品は納豆をはるかに超える粘着性を備えるグルーブによって人々の頭を垂直に地に叩きつける、まさに3rdにして奇跡、Eddie Hazelが繰り出すギターがもはやセックスの官能性までも内包しながら真の原初的人間性を備えている、世評にも言われているように、Jimi HendrixやSly & The Familiy Stoneとは異なるファンクネスを讃えているのは自明であってかなり一般的にロックといわれているような商業ベースに乗っていると考えてもよさそうであるが祝祭性に大きな違いがある、それはゴスペルという手法が強く働いているのはいうまでもない、とはいえM1が10分を超えるもっとも長い曲でありかつ泣きギターのインストで勝負に来るくらいであるからかなりの豪気といえるかもしれない、多くのメンバが入れ替わり立ち代りするFunkadelicであるから一応近作の参加メンバを紹介しておくと先にあげた2者のはかにBilly Nelson、Tiki Fulwood 、Tawl Ross、Fuzzy Haskins、Bernie Worrell、Tawl Rossといった人々がいる、個人的には全体の流れをふっと止揚するようなラストのM7が素敵でありこの盤が一枚で輪郭線を描いているという証左であるような気がして好きである、Parliamentとの方向性をまだ明確に保っていた頃の「ロック」における名盤としてもう少しマジョリティとしての地位を向上させていきたいという思惑もある、語り継がれるべきマスターピース