Doldrums : Acupuncture
ARTIST / Doldrums
TITLE / Acupuncture
LABEL / kranky
DATE / 1997
TITLE / Acupuncture
LABEL / kranky
DATE / 1997
Piero Scaruffiさんも8をつけるほどの高評価を下した盤です、karankyらしさを全面に押し出したロック・アンビエント、ギター兼ボーカルのBill Kellumが運営するvhfとの親和性も見せるこのバンドは確かな演奏力とファーのような包容力で満足させてくれます、とくにバックでファジーなギターを主体とした拡散する波音を漂わせながらも着実に刻むフリーの様相を感じさせるドラムが確実な安定感を与えてくれる、この感覚はスローコアと呼ばれる一派に特有なものである気もします、ギターのフィードバックに流されずに別の主体的存在としてのリズム体がリスナにトリップを許容しないのですね、その意味で僕たちはつねに現実的に音楽を聴くというある種現代人に特有の経験を与えられるのですね、全部で6曲で1曲が非常に長いですが、圧巻はラストM6の35分弱に及ぶ大曲でしょう、激しさと静寂という典型的な展開を見せる曲ですが此方はMowgaiなどのような昇華にもっていくわけではなくて逆にラスト20分はクールダウンにあてられています、非常に気だるいプレイはこの祭り的盤のテンションを象徴しているような気がします、より混沌に落ち着こうとするフリージャズ的展開はとても好感の持てる終焉といえるでしょう、実際にレベルの高い1枚、現在は活動を休止しているようです