The Zombies : Odessey & Oracle
ARTIST / The Zombies
TITLE / Odessey & Oracle
LABEL / 1968
DATE / cbs
TITLE / Odessey & Oracle
LABEL / 1968
DATE / cbs
1746。アメリカ、イギリスで内容が近い別タイトルの1stがあるので扱いが難しいが、それらを1枚とすれば2nd。ただの名盤というものが存在する。それは、できるだけ幼年に近い時期に与えられるべきもので、教育と社会環境が重要な役割を果たす。しかしなかには、困ったことに、それが単純に経年の問題で、目立たない棚にしまいこまれてしまっている場合がある。本作も、あるいはThe Zombiesもその手の部類に当たってしまう、残念ながら。僕は幸福なことに、Lサイドに潜む音楽狂いがいたので、相対的には遅くない段階で本作を耳に注ぎ込むことができた。時期は、えー、多分、高2とか?高3のときは確実に知っていたと思うが。本来ならば、ソフトロックなるものに狂っていた僕が、そのコーラスワークへの注目から自力で到達してもおかしくなかったけれど。今はなき地元のCDショップでその狂いが、ゾンビーズの何かの盤を予約していた記憶はあるけど。本作の歴史性は、しかし、しっかりと教科書に載っているしぐらいのもので、特に述べる必要はないだろう。たとえば、本作はEMIと契約していないにもかかわらず、アビーロード・スタジオで録音された初めての作品であったり、本作が録音された1967年の前半では、世界一のロックアルバムといわれるThe Beatlesの"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"が録音されていたという話であったり云々。M1のメロディを聴いた時点で、すべての完成された旋律が本作に詰め込まれているという予感が走るのは、名盤のゆえんなのだろう。そして、リスナは全12曲35分足らずの適切すぎるボリュームを浴び切ったあと、果たしてその予感がただの事実であったことを知る。すべてが名曲である盤がそこにあったのだ。