The Velvet Underground : White Light / White Heat
ARTIST / The Velvet Underground
TITLE / White Light / White Heat
LABEL / verve records
DATE / 1968
TITLE / White Light / White Heat
LABEL / verve records
DATE / 1968
1749。より暗がり具合が増した2nd。VU作品のなかで、僕がもっとも好きな盤かもしれない。というかVUが好きな人は、とにかく本作をもっとも敬愛する方向にある。すれほど彼らの神話性やらアイデンティティやらを強固にする作品性を持っているわけだ。1stではM1だけプロデをしたTom Wilsonが前面プロデュース。Tom Wilsonといえば、The MothersやらBob Dylanなどの名作を録音した偉人ですね。John Caleは本作を持って脱退するわけですが、思い起こすことがないようにというか、もうぎらぎらしている。各種の音が閃光のごたる発散の仕方をしている。すべての音が耳を引っかいてくる。洗練に対する抗いの音とも言えるかもしれない。全体がサイケデリックに陰鬱で、それが不穏な旋律と粗野な録音によって、倍々ゲームへと変貌する。本作を与えられると、音楽の心地よさが歪んでいくという諸刃の剣となっている。僕の間違った音楽遍歴は本作によって与えられたと考えても不思議ではない。乱丁にこそ美は宿る。本作の白眉は前作同様、ラストに添えられている。添えられるというレベルではない強力な反美学となって、リスナをどん底へと叩き落す。すなわち'Sister Ray'。楽曲レベルでこれほど言及されるものは、それほどないと思う。少なくとも僕のなかで。ほぼ3コードで遊ばれる17分のジャムセッションを目撃したとき、パンクの衝動やらノーウェーブの暗黒などは、ただの児戯として、あるいは偉大すぎる親を持つ子や孫としてのみ、価値を持つのかもしれない。最高すぎるのだ、なんにせよ。