The Velvet Underground & Nico : S/T
ARTIST / The Velvet Underground & Nico
TITLE / S/T
LABEL / verve
DATE / 1967
TITLE / S/T
LABEL / verve
DATE / 1967
1748。世界で最も有名なジャケ写のひとつ。もはや語るべきことがない盤のひとつ。VUはいうまでもなく、アメリカの地下音楽の象徴であり、かつ精神的主柱でもある。Andy Warholが目をつけたLou Reed、John Cale、Sterling Morrison、Maureen Tuckerという4人のヒップな若者たち。そこに加わった、ファクトリーで飼われていたドイツ出身のNico。これだけでもはや役者はそろっている。僕が本作を買ったのは、おそらく2000年頃。梅田丸ビルのタワーレコードのある試聴機にYo La Tengoの"And Then Nothing Turned Itself Inside-Out"などが並んでいて、それらのポップにやたら「ヴェルヴェッツ・チルドレン」なる言葉が使われていた。しばらくして、その源流がVUにあることを知ったというあっさりした顛末。そのコーナーは僕たちの青春時代の性向を強く形成したことを付記する必要がある。VUにどっぷりはまった高校生の僕は、そのバナナを背負うことはできず、VUのSM仕様Tシャツを買った。ピンクのやつ。それくらい、僕を、あるいは僕たちを強く方向付けた。出会うべき時期に、適切に出会うことができたわけだ。擦り切れるほど聴いた本作の曲は、どんな凡庸で古めかしい曲だって輝いて聞こえる。白眉はもちろん、ラストの'European Son'なわけだけれども、入りの'Sunday Morning'からのトリップは、すべてドラッギーな安らぎに満ちているのだ。VUがいなければ、アメリカのその後のポピュラー音楽史はまったく違うものとなっていた。これは、何の疑いもない(それはそれで、Zappa大統領が精神的主柱となる素敵な世界が開けたかもしれないけど)。ともかく、本作を聴いたことない人とは、多分共通認識が得られないと思う。それは価値観の問題だけど。こんな僕にしてくれて、心からありがとうを言うよ。