Sloan : One Chord to Another
ARTIST / Sloan
TITLE / One Chord to Another
LABEL / murder
DATE / 1996
TITLE / One Chord to Another
LABEL / murder
DATE / 1996
1774。以前紹介した盤"Twice Removed "。3rd。前作はgeffenからのリリースだったのだが、レーベルと揉めて解散の危機に陥ったらしい。しかし、そのような外因を乗り越え、本作を自主レーベルのmurderからリリースした。Sloanのすごいところは、メンバ全員が曲をかけるということだと思う。決してワンマンなフロントマンの独裁ではないのである。そのユートピアな地平が素晴らしいと思う。もちろん多寡はあります。本作ではベースのChris Murphyが半分近く曲を書いている。それにしても、本作でSloanらしさ、というか、強烈な過去を引き継ぐブシがぐっと増幅し、そろそろニヤツキが止まらなくなってくるぜってなもんで。M3を聴いてくれ。とりあえず。中村一義やらコイルやらは、Sloanに比べたら遅すぎた。もちろんそれまでに、多くの伝統フォロワーがあったことは否定しないけれども、Sloanほどその部分でわれわれの心を捉えた外タレはいないはずだ。ちなみに本作は、日本盤までリリースされているから、当時はマイナな存在ではないと分かってもらえるはず。フォロワーとは、所詮云々と思われがちである。しかし、時代を経たときにそこには渇望があり、われわれは彼らによってのどを潤すのである。本作を久しぶりに聴いて、ニヤツキが止まらない僕の変わらなさに、ありがとうといいたい。あるいはもしかしたら、90年代後半とは、幸福にもそういう時代だったのかもしれない。大文字のBのリバイバル。僕が彼らに出会うというのも入念に時代化されていたのかもしれないな。新しいものが何もないなど、評論家がいうことだ。ちなみに今年は、真っ青な服飾ばかり買っている。良盤。