Nirvana : MTV Unplugged In New York
ARTIST / Nirvana
TITLE / MTV Unplugged In New York
LABEL / geffen records
DATE / 1994
TITLE / MTV Unplugged In New York
LABEL / geffen records
DATE / 1994
2001。Kurt Cobainの死後にリリースされた名演。グランジってなんだかちょっと、という人でも、Nirvanaは通らざるを得ない道であるし...。そんな根暗な詰襟学生のために本作みたいなのを用意しているというのも、Nirvanaが90年代を代表するゆえんであろう。それぐらい裾野を広くしておかないとポップスは作れない。全14曲。David BowieやMeat Puppets(参考。しかも3曲連続、メンバーまで参加)などのカバー曲もふんだんに含んでいる。Kurtの声って決してよくない、というかたるい歌い方することもあるけど、それでもいいやな。全部の曲がきらついていて、やってられないし、なんか泣けてくるけど、白眉はM13の'All Apologies'なんでしょうか。"In Utero"のラストの曲というだけでもね。それだけで、なんだか説得力がある。LeadbellyことHuddie Ledbetterのカバーで最後締めくくられるわけだけど、それがKurtの音楽的な深みを表しているのかどうかは知らない。最近読んだ『哲学者の死に方』という本には、いろんな哲学者がどんな風に死んだか書かれている。是非是非参考にしようと思って読んでいた。ただ、底には愛する人を殺してしまうかもしれないという恐怖から逃れるために、口にピストルだか猟銃だかを加えて引き金を引いた男のエピソードは書かれていなかった。誰もが憧れるただのポップスターだった彼は、いつもダルダルの服を着ていたけど、その名声を拒絶し、いつも悩んでいた。だから彼は、死後、歴史に残る素晴らしいポップスターになった。世界を解釈するだけでなく、世界を変えてしまった。