Love : Forever Changes
ARTIST / Love
TITLE / Forever Changes
LABEL / elektra
DATE / 1967
TITLE / Forever Changes
LABEL / elektra
DATE / 1967
2010。過去盤レビュー。全てがそろっている名盤はなかなかない。白地に重ねられれたサイケに顔色の悪いメンバーの顔ジャケは、今出されていてもなんら古さを感じない謎の普遍性を帯びている。バンド名も、タイトルも、なんとも全てを持ってきて並べ立てている。ずるい。内容も、今でも聞けるという脅威の1枚である。ロスを拠点に、サイケフォークの王様になったLoveによる時代を超えた傑作3rd。黒い魂を持っているはずのArthur Leeが、周囲に蔓延するブルースの精神を、まるでどっかに落としてしまったかのように、そ知らぬ顔で、さわやかに、おだやかに到達してしまった本作は、特筆して何かを語るには、完成しているために、手に負えない。何かに似ている。そうではなくて、全てが愛にている。そういう陳腐な詩が説得的に感じてしまうほどの、ありったけの愛がある。泥臭さがないのはなぜか。なぜ数十年後のわれわれが、まるで同時代人のように本作に耳を済ますことができるのか。オーケストレーションが見事に曲を調和している。サイケというには、愚直すぎる。そうかと思えば、ギターソロは泣きを聞かせる。声は穏やかだ。冬に必要なのは愛だ。愛を加えることだ。君を、愛することだ。