John Lennon : Wonsaponatime - Selecitons From Lennon Anthology
ARTIST / John Lennon
TITLE / Wonsaponatime - Selecitons From Lennon Anthology
LABEL / capital records
DATE / 1998
TITLE / Wonsaponatime - Selecitons From Lennon Anthology
LABEL / capital records
DATE / 1998
2070。過去盤レビュー。以前紹介した盤"John Lennon / Plastic Ono Band"。1969年から1980年までのデモやらアウトテイクを"Ascot"、"New York City"、"The Lost Weekend"、 "Dakota"というテーマに切り分けた4枚組みの"Anthology"より、美味しいところを編集してまとめた1枚。それゆえに、よっぽどのファンでないならば、本作で十分美味しい。その後The Beatlesの「新曲」として発表された'Real Love'もピアノソロverで聴ける。僕自身の話を聴くと、John Lennonのソロを浴びるように聞いたのはまさに、このアウトテイク集であり、このミックスが、たとえば'God'のドラムがすごい強く出ているように感じるこのテイクが、John Lennonなのであった。曲の並びも、本作を聴きすぎて、これが一番すっきりくるとさえ思ってしまう。いい曲がそろってる。'I'm Losing You'のイントロへの入り方からギターがなびく様子、Working Class Heroのギター弾き語り、'How Do You Sleep?'ではHarrisonのギターがさえているなぁとしびれる。 'Imagine (Take 1)'はシンプルながら、これが答えなのではないかというぐらいJohnの声が素直に響く。'Baby Please Don't Go'の緊張感は各楽器がロウに調整されることによって達成されている。'Oh My Love'も愛とピアノの調和を常に信じたくなる。 'God Save Oz'はイギリスらしい陽気さが跳ねている。'I Found Out'ではギター一本荒々しくもボーカルとの相性が卓抜で、曲の本質が顕著に突きつけられている。'Woman Is The Nigger Of The World'はライブバージョン、Ono Yokoも参加して楽しそうだ。'Be Bop A Lula''Rip It Up/Ready Teddy' ではロックンロールを純粋に楽しんでいる。What You Got'は習作といった趣だが、声がここでもその唯一無二を保証している。'Nobody Loves You When You're Down And Out'はすでに名曲としての体格を与えられている。'I Don't Wanna Face It'もJohnお得意のファルセットが響く。'Only You'でも往年の名曲を自分のほうに手繰り寄せる。'Grow Old With Me'はMartinの仕事によりストリングスが足され、その奇跡のような旋律に彩りが加えられている。そしてなぜかラストが'Serve Yourself'でまたラディカルに終わる、という構成。'Grow Old With Me'で終わらせないことで、本作を完結したものではに並べものであるという印象を固くしてくれる。考えられている。その逆の発想がすごいと思う。作家性がありすぎるがゆえに、この手の盤は無難にまとめると悪意さえ嗅ぎ取られる。それがこの終わり方。素晴らしいじゃないか。駄目な点をしいてあげるとすれば、Seanの赤ちゃん音声は良いとして、Yokoとのいちゃいちゃが12秒も収録されている点。無限の長さに感じる。なぜそんなことするの。やめてよ。ま、その箸休めも含めて、僕にとってのJohn Lennonはサウンドも含めて本作なのであった。ファンの人たちには、分かってないといわれようがどうであろうが、そうだから仕方がない。よろしく。