Jim O'Rourke : Terminal Pharmacy
ARTIST / Jim O'Rourke
TITLE / Terminal Pharmacy
LABEL / tzadik
DATE / 1995
TITLE / Terminal Pharmacy
LABEL / tzadik
DATE / 1995
2013。過去盤レビュー。裏、なのか、表、なのか。どちらが本当のO'Rourke先生なのか。多分どちらもある程度同じ地平であるんだろう。ただ、快楽として、休日として音楽を楽しむものにとっては、こちらサイドのO'Rourkeの盤はさほど繰り返し聴こうとは思わない。やっぱり疲れるし。微細なテープによる音は、われわれに集中力を要求するし、この手の音楽に伴う不穏さは心をくじく。ただ、いえることは、無調な音楽を聞かせるには一定の録音スキルや、粒感への意識が必要になると思う。決してむちゃくちゃやるわけではない。ぎりぎりでカタルシスを感じる部分を触れるか触れないかぐらいでなぞっていかなくてはならない。M1の'Cede'は40分を超える大曲。クラリネットやトロンボーンで脚色しつつ、最後の最後で悪かったころのJohn McEntireのドラムがさしはさまれる。ちょっと余計かなとも思うけど。この頃から憧れていたのかは知らないけど、本作の傾向はキチンと映画音楽の手法に生かされているのでは。明確に主張するのではなく、アトモスフィアを強調するように、空気感を流していく。そのような音楽。買っても買わなくても、世界は何も変わらないけど、ふむふむ、ほほほ、へぇなどの感嘆詞を、まったく何もすることのない哀れな人生に添えることはできないではない。