Frank Zappa : Waka / Jawaka
ARTIST / Frank Zappa
TITLE / Waka / Jawaka
LABEL / bizarre
DATE / 1972
TITLE / Waka / Jawaka
LABEL / bizarre
DATE / 1972
2110。ジャケットの蛇口に意味深に描かれている文字からも分かるように、"Hot Rats"の方法論を推し進め、大所帯なバンドスタイルへと移行。やっぱり孤独には耐えられませんでしたというわけではないけど、Mothersではない編成でがちゃがちゃしたいという欲望が見てととれる。全4曲。あたまとおしりにかるく10分を超える大曲を配置し、煮えたぎるようなインストへの没入、演奏への傾倒によってリスナーをどろどろにしてしまうこと受けあい。悪ふざけを一切感じない。Zappa先生は、まるで毛嫌いしていたドラッグをぶち込んだんではないかと思えるぐらいにシャンとしている。もちろん幕間のM2M3ではいつものようにおとぼけた口調で舐めてるとしか思えない歌を披露してくれるので、どこまでもアンチ・ドラッグである。"Hot Rats"での達成により、位置づけが難しいアルバムだが、それでもその研ぎ澄まされたシャープさと難解さに落ちることのない意志は一級である。比較的誰にでも進めやすく、またブルースの聴いた古きよきスタイルの歌も入ってるから、「Frank Zappa先生です、どうぞー」がやりやすいかもしれない。かわいい女の子だって、本作ならまだ結構受け入れてくれるかも。もちろんそんな幻想はぼろ雑巾のように腐ったミルクずけにして、ビニールに封印して谷底へで火災すべきであるが。派手さはない。それゆえに飽きが来ない1枚である。ジャズ・ロックって言葉で片付けたいならそれでも良いけど、ちゃんとZappa先生それ自体、に向き合ってよね。