Elliott Smith : XO
ARTIST / Elliott Smith
TITLE / XO
LABEL / dream works reocrds
DATE / 1998
TITLE / XO
LABEL / dream works reocrds
DATE / 1998
2128。過去盤レビュー。以前紹介した盤"Figure 8"。思えば、運命的だった。それは幸福だった。俺の音楽を豊かにした。Elliott Smithがいて本当によかった。彼が今、この世にいないことは本当に悲しい。生き返るべきだ。そんなことを言ってもむなしいけど、そう願わずにはいられない。全世界の僕たちのために。当時、僕は、行き着けのCD屋で本作がリコメンドされているのをみて、値段も当時にしてはさほど高くなかったため、なんとなく買った。試聴したかもしれないけど。M1の'Sweet Adeline'のドラマティックな展開に、心を撃たれた。たくさん聴いた。そして聞き飽きたときに気付いた。聞き飽きたというぐらい聴いて気付いた。他の曲も全て素晴らしいことに。衝撃だった。歌に可能性があった。Elliott Smithの音楽には、どうしようもない現実が練りこまれていた。中学3年生だったと思われる当時の僕に、突きつけられた気がした。現在も決して捨てたものではない。悪くない。彼が歌っている限りにおいて悪くない。コラージュされた白黒のジャケを見たとき、中心でにこやかに笑う黒人らしき男性がElliott Smithなのだと思っていた。実際には彼の斜め前方にいる男がElliott Smithであることに気付いたのは、ずっと後である。『グッドウィルハンティング』で脚光を浴びた彼が、メジャーに駆り立てられても、彼はそれまでと同じように、陰鬱に、慎ましやかに、愚直に、音楽に向き合っていた。音楽を聴いて泣いたことがある。Elliott Smithの音楽を聴くとき、いわく説明しがたい感情の波に襲われる。何度聴いても、何度聴いても、飽き飽きしながらも、勘弁してくれと思いながらも、一生Eliott Smithの音楽は鳴り続けるんだ。グッド・ミュージックというとき、リスナーに誇りを抱かせる音楽は、じっと鳴り続ける。'Everybody Care Everybody Understand'であるにも関わらず、'I Didn't Understand'であるということ。Aphex TwinとElliott Smithはまったく違う脳みそを刺激し続ける永遠のヒーローである