Jimi Hendrix : Live At The Fillmore East
ARTIST / Jimi Hendrix
TITLE / Live At The Fillmore East
LABEL / MCA records
DATE / 1999
TITLE / Live At The Fillmore East
LABEL / MCA records
DATE / 1999
2129。過去盤レビュー。以前紹介した盤"Electric Ladyland "。1969年の大晦日から1970年の元旦に行われたライブ音源を2枚にわたって収録。炸裂しながら疾走するJimi Hendrixの音楽は、決して音がよいとはいえない録音状態のなかでも、黒々ととぐろを巻きながらエネルギーを無制限に吐き出している。まさに魂を揺さぶる演奏である。本作のベストパフォーマンスをぶち込んだ"Band of Gypsys"は1970年にリリースされ、ライブ盤として圧倒的な支持を得ているわけだけども、その贅沢さを反省しなければならないほどに、この2時間近くにわたる発掘盤には価値があるのである。Jimi Hendrixがライブにおいて、プレイヤーとしての圧倒的な到達を開示することがよく分かる。本作がリリースされたときは、ディスク1のM1のようにジャムセッションの緊張感なんてものには、まったく理解を与えなかった僕だけど、今聴いてようやくエレクトロニック・ギターの可能性を拡張したjimi Hendrixの偉大さが分かるとともに、黒人だけで練り上げられた屈強なグルーブ感に畏敬の念を覚える。メンバーはBilly Cox(ベース)、 Buddy Miles(ドラム)。ファンクなんかをさらっておくと、このブラック・ダイヤの硬質さと美しさがよく分かる。ただただギターといえばジミヘンって感じでアプローチするとよくわかんないかもしれない。ドミノ倒しされるように音に耳を凝らし、蛍の光を感じるまで、いけるところまで。行けばよい。感じられる。ギターが語りかける。ジミヘンの深遠を語りかける。価値の有るライブ盤である。