The Beatles : Abbey Road
ARTIST / The Beatles
TITLE / Abbey Road
LABEL / apple
DATE / 1969
TITLE / Abbey Road
LABEL / apple
DATE / 1969
[24-71]。過去盤レビュー。糞有名なジャケットに憧れて、僕たちは、道路の抜けが良い車のほとんど通らない横断歩道を選定し、普段は乗らないバスに乗り込み、地元の住宅街へ向かった。現地で僕ははだしになり、Lさんはポケットに手を突っ込み、その上を歩いた。その瞬間をとらえたのが友人のMである。フォトドヒロである。英語をろくにしらない僕は、今でもまったく英語を理解できない。どれだけの若者たちが、The Belatlesに憧れ、Abbey Roadの近くにあるこの横断歩道の上を歩いただろうか。 Red Hot Chili Peppersによる靴下チンコのほかにも、劇場版『けいおん』では主人公たちは、見えざる手によって気付かずにアビーロードを歩かされている。ポップスにおいては、あまりにも有名で神聖な場所なのである。Lさんはもう歩いたと思うけど、僕もいつか歩くんだろうな。これは、どうしようもない避けられない予感である。さて、The Beatlesの実質的なラストアルバムである。"Let It Be"はおまけである。それほど聞き込んでもいないし、思い入れもないんだけど、かっこよい曲が並んでいる。Georgeに2曲、Ringoに1曲、と枠が裂かれている。まるで引退試合で、ラスト5分に記念出場する補欠3年生のように。Georgeはそこで見事に2曲とも活躍しているのだが。ゲットバックすることができず、どうしようもない状況。それでも本作のように、B面の1部をメドレーのようにつなぐなどのアイディアを盛り込みつつ、それぞれの曲には、天才2人の閉じ込めようのない才気がぶち込まれている。学生だった
ころの僕は、どうしても分かりやすいサイケデリックな中期に陶酔したけど、この年齢になて、つまりもはや当時の4人全員と比べても長く生きてしまった30歳直前になって、本作の強い精神性は心にしみるんだ。30歳にも満たなかった彼らが突きつける"Abbey Road"の現実は、自分がゴミクズ以下のどうしうもない存在で、それは世界中のほとんどの人間がそうであるにも関わらず、それでもなお、奇跡的な天啓によって、自分たちが特別な存在になれるのではないかという予感をはらんでいるのである。僕たちも、'The End'では終わらないという意地がある。
ころの僕は、どうしても分かりやすいサイケデリックな中期に陶酔したけど、この年齢になて、つまりもはや当時の4人全員と比べても長く生きてしまった30歳直前になって、本作の強い精神性は心にしみるんだ。30歳にも満たなかった彼らが突きつける"Abbey Road"の現実は、自分がゴミクズ以下のどうしうもない存在で、それは世界中のほとんどの人間がそうであるにも関わらず、それでもなお、奇跡的な天啓によって、自分たちが特別な存在になれるのではないかという予感をはらんでいるのである。僕たちも、'The End'では終わらないという意地がある。