The Beach Boys : Sunflower / Surf's Up
ARTIST / The Beach Boys
TITLE / Sunflower / Surf's Up
LABEL / brother / capitol records
DATE / 1970/1971/2000
TITLE / Sunflower / Surf's Up
LABEL / brother / capitol records
DATE / 1970/1971/2000
[23-71]。過去盤レビュー。廃盤だったと思われるブラザー時代の名作2枚をコンパイルしたもの。2000年ってのは、本当にソフト・ロックというかBrian Wilsonを機軸とするシーン見直しが進み、マーケットもキチンとそれに対応していて、喜ばしき時代でした。本作がリイシューされるとしったときは、ついに俺も、ブラザー時代を押さえることでThe Beach Boysをきちんと把握できるんだ、という喜ばしさに襲われたぜ。そして、所詮は廃人Wilsonの食べ残しの集積ないしは、不在の塊であるにも関わらず、それぞれの曲のよさに感動したのを覚えている。それぐらい素敵な曲が多い。特に"Sunflower"は、Wilsonの不在を埋めるかのようにして、他のメンバーがコーラスグループとしての原点に立ち、クオリティの高いポップスをうまく練り上げた密度の高い1枚になっている。確かに"Pet Sounds"のような、1人舞台による理念と崇高の塊ではないけど、音楽はなにも小難しさだけが必要なのではない。何よりも楽しく聴きたいじゃないか。サーフの陽気さというより、ロック音楽に自分たちなりにアプローチしているようなバランス感覚が絶妙です。 Dennis WilsonがM1やM4で、それまでのThe Beach Boys像を破壊しようとしてるかに感じる。M9の'Forever'は消化不良気味ではあるが名曲になりかけてる。典型的な名盤です。一方で、"Surf's Up"。ブラザーのマークだった馬に乗った男が両手をタレ下げ、うなだれているというぴったりすぎるジャケットでした(ちなみにこの記事の画像が"Sunflower")。寄せ集めであるが、タイトル曲であり"Smile"の核心となる予定だった世界でもっとも美しい曲'Surf's Up'や、ナイーブさ全開の'Till I Die'が含まれている。これだけでも、すごい1枚でしょう。だって、世界で1番美しい曲が収録されてるなんて、アルバムは他にないわけだしね。"Sunflower"は単体でも名盤だけど、"Surf's Up"はちょっと特殊な感じです。そういう意味でも、このコンパイル盤を買えばよいと思います。