The Beach Boys : The Best Of The Beach Boys 1970-1986 The Brother Years
ARTIST / The Beach Boys
TITLE / The Best Of The Beach Boys 1970-1986 The Brother Years
LABEL / capitol records
DATE / 2000
TITLE / The Best Of The Beach Boys 1970-1986 The Brother Years
LABEL / capitol records
DATE / 2000
2124。The Beach Boysのブラザー時代といえば、2000年まではなかなか手の届かない桃源郷であって、音源も容易に手に入らないけどどうしたもんかと若手ファンたちを悶々とさせたもんどえある。"Sunflower"に"Surf's Up"といった、"Smile"の出来損ないとはいえ、その残滓でも神々しい輝きを保っているということはもれ伝え聴いていたわけで。そして、時代は、僕たちの興味に呼応するかのように2000年に、ブラザー時代の音源がいっきにリイシューされた。そのときのよろこびったらない。それを総括する形で出されたのがこのベスト的なコンピである。本作を聴けば'Pet Sounds'以後、The Beach Boysが瓦解しながらも、きちんと高々とした地平を見渡してたことが分かる、のだろうか。それとも残滓をこそぎながら、機械人形のように白目を剥くBrian Wilsonをしりめに、彼得た除いてはいけない向こう側の世界を貯金を切り崩すように利用していたのだろうか。良い曲が多い。当時の盤は、その詰め合わせであって、1枚としての魅力としてはやや落ちる部分もあるから、このベストを聴いてブラザー時代の開放感を感じればよいのではないだろうか。世界で最も美しい曲である'Surf's Up'も収録されています。それだけでよいかもしれませんね。穏やかに、綺麗に構成された曲だ。Van Dyke Parksがこの上ない仕事をしているように感じる。"Smile"が出されもしないのに、もしリリースされたら、圧倒的に優れた1枚になっていたに違いないという期待感は、本作をはじめとしてそのばら撒かれた異世界の種たちが飛びぬけているからなのだろう。ブラザー時代は、本作のジャケットのように、パンツ1枚の男性が、欲望の象徴である馬にまたがり、夜明けという全ての始まりを感じている時代である。壊れる前に、Brian Wilsonが感じた世界である。とはいえ、大半がご機嫌なサーフ系音楽であるので、その落差にはちょっと落ち込むかもしれない。現実的西海岸の暖かな日差しはまぶしすぎる。