Plastikman : Closer
ARTIST / Plastikman
TITLE / Closer
LABEL / novamute
DATE / 2003
TITLE / Closer
LABEL / novamute
DATE / 2003
2425。あまりにも久しぶりですが、たまには。Richie Hawtinによる変名で有名といわれても。現在性を担保するような言葉はすでに霧散していると思う。14年前の1枚となる。もはや大過去だよ。F.U.S.E.名義で人工知能シリーズのフル盤を演出した彼のキャリアはゆっくりと、あるいはチクタクと反復、展開しながら消えることなく今日まで続いています。本作の後、しばらくこの名義は封印されていましたが、2014年には復活し、新譜もリリースされました。それでも3年前。彼自身のキャリアとしては2001年に"De9"によってDJプレイを基にしたミックス概念を繊細にチリチリと再構築したことで有名であり、それを端緒にしたディープ・ミニマルなるスタイルの代名詞のようになりましたが、現在はどんな仕上がりなのでしょうか。本作では声もエディットされて封入されることで、よりパーソナルな境地へと手を伸ばそうとしているとかなんとか言いますが、そんなものを排除したところでやっていたのではないですかと言いたくなるのが、人間嫌いのテクノ狂いだった、かつて、そうだった、ものとしての感想でしょうか。音の要素はとても少なく、複雑さからもっとも遠い位置にいるようで、その雰囲気とそぶりがあまりにも通好みである。これ見よがしに丁寧さを提出している、ような錯覚、あるいはファクトを突き付けられて、あとは部屋の中でこの邪魔にならない音を鳴らしながら、ぼくの好きだった音楽とはどういうものだっただろうと物思いにふけるにはもってこいだと思う。