Mahavishnu Orchestra : The Inner Mounting Flame
ARTIST / Mahavishnu Orchestra
TITLE / The Inner Mounting Flame
LABEL / columbia
DATE / 1971
TITLE / The Inner Mounting Flame
LABEL / columbia
DATE / 1971
2291。邦題は『内に秘めた炎』。時代はもうエレクトリックである。エレキの総大将であるジミヘンが1970年に死んだ時点で、それは次へと引き継がれなければならなかったし、実際にそれはそのように動いた結果によって、誰しもギタリストになろうとするのである。そんなジミヘンの遺骨を拾うようにギタリストJohn McLauglinが中心となって作り上げられたのが、卓抜なジャズ・ロックないしフュージョンに位置づけられる1枚である。1st。他のメンバーはJerry Goodman(ヴァイオリン)、Jan hammer(ピアノ)、Rick Laird(ベース)、Billy Cobham(ドラム)。1973年に改編されるまではこの初期メンバーだった。文法的には、スウィングやらなんやらするというよりも、変拍子によるグルーブを楽しむプログレのスタイルに近いように思う。それも極上の。たまらん。イギリスの若造だったJohn McLauglinがイギリスからニューヨークにき、誰もが知るように、Tony WilliamsのバンドLifetimeに参加したり、 70年にはMiles Davisの"Bitches Brew"でのプレイをまかされたりと、とにもかくにも彼こそが次世代のエレキギタリストだったわけである。Cohamもそうだった。そんな彼らが、その可能性を純粋にジャズへと傾けるというよりも、よりキャッチーに、よりポップに、より熱狂的に、時代にそくして作り上げたのが本作だと思う。もう、テンションがたまらん。M3の弾きまくりたたきまくりとかたまらん。wikiに書いているように、イントロ部分でGoodmanとLairdがHammerをはさんで大喧嘩して、その間にもMcLauglinとCohamが演奏続けたという逸話とかもう最高にロックだし、それゆえに、もうそんな逸話吹っ飛ぶくらいに最高なわけだ。最高最高最高。この曲だけでも聴こうぜ。本当にすごい。こんなんされたら、後世の皆様の努力はいつだって、あとがきにしかならないでしょう。もちろんMcLauglin自身が高度に卓越したジミヘンのあとがきとなってしまうように。かと思ったらM4みたいにヴァイオリンとかフューチャーして何だかインテリな曲をやってみたりする。この辺の勢いに任せないところが、ちょっとヒップじゃないというか、理性的だし、続く曲も勢いで処理するのではなく割りと泣いたりしてしまうという。めちゃくちゃかっこいいけどね。すごい1枚を聞き逃していたことにポップスファンとして猛省が促されました。傑作です。それにしても、これらを準備した道にはMiles Davisという大きな巨木があったというのは、本当に泣けるし、ちょっと怖い話ですね。そしてみながいうように、本作がキンクリの2期に影響を与えているのかどうか、という物語も興味深い。