Thelonious Monk : Brilliant Corners
ARTIST / Thelonious Monk
TITLE / Brilliant Corners
LABEL / universal
DATE / 1956
TITLE / Brilliant Corners
LABEL / universal
DATE / 1956
2267。ジャズ名盤探訪。コレまでの数々の名盤たちとは違い、不穏なイントロからスタートする。メンバーはThelonious Monk(ピアノ)、Ernie Henry(アルト・サックス)、Sonny Rollins(テナー・サックス)、Oscar Pettiford(ベース)、Max Roach(ドラム)。ユニーク、斬新、挑発的、その他もろもろ、何でもいいが、確かにMonkさんは、へんてこりんな作曲能力を遺憾なく発揮して、本作に取り組んでいる。天才なのだと思う。独特な、きわめて独特な天才なのだろう。冒頭の違和感は、不協和音(とも思わないが)による構成がもたらしているが、その綱渡りでチーズのような癖のある展開は、一度聞けばブシ感でしかなくて、それはそれは、もうMonkなしでは生きていけないってなぐらいにエロティックかつ特殊なプレイでもって飼いならされること受けあいである。どこの分野でもこの手の困ったちゃんはいるもので、彼らは誰よりも愛される。僕もこの瓦解することをレーゾンデートルとするような本作の曲たちの魅力が鼓膜に引っかかり、「天才だ、天才が来たぞ、やばいぞー」と風潮して回る側の人間であったわけで、そういう意味ではもっともっともっと早くに本作を聴いておきたかったというのが感想。その他多くの名盤たちは、別に時代を超越してるけど、そしてこの気持ちの悪い1枚も時代を超越しているんだろうけど、もっと強烈なフックとして脳みそにお見舞いするには、若手に注ぎ込むべき音楽だろうと思う。気持ち悪い。ジャズを舐めんなよ、聴けよ。いまさらオセエよ。