Aphex Twin : Come To Daddy
ARTIST / Aphex Twin
TITLE / Come To Daddy
LABEL / warp
DATE / 1997
TITLE / Come To Daddy
LABEL / warp
DATE / 1997
2217。激烈なビートに憎しみにも似たボコーダーで、感情をぶちまけるRichardさん。何をそんなに叫ぶことがあるのか。ドリルンベースなる方法論はデスメタルのような咆哮で、どぎつく演出されている。本作は本当に良く聴いた1枚です。EPという扱いですけれども、知名度もかなり高く仕上がっている。タイトル曲はChris Cunninghamが手がけたPVによってその恐ろしさが増幅されている。怖いのなんのってそれはもう。ジャケを元とするキービジュアルも含め、Richardのイメージを定着させたCunninghamは、80年代のMVの影響力のそれとも似て、Richardにとってなくてはならない存在になった。さて、M1の荒波を通り越したときにM2で見せるRichardのデレったらない。その'Flim'はAphex Twinの中でも抜群に人気があって、その美メロは本当に心穏やか似させてくれる。この曲が収録されているという点だけでも本作は人気が高いと思う。僕は確か受験勉強のときに、集中してApex Twinにはまっていたけれども、M4の'Bucephalus Bouncing Ball'におけるはじける金属音が織り成す複雑なビートから、中盤で見せる抜群の解消、そしてさらにまた金属ボールがバウンスするようなビートによって複複に伸びていく終盤にいたるまで、脳みそをリラックスさせるのに良く使っていた。弛緩するのですね。一度集中したいときなどに、試してみてはいかがでしょうか。この頃のAphex Twinは本当に激しさと穏やかさを一切中庸することなく、そのポップネスをそぎ落とすことさえ拒否している。EPながら、Richardのキャリアをトータルで見ても重要な1枚だと思う。彼がいてくれたことで、僕は音楽が好きだし、そのカルチャーが好きだし、そのスタイルが好きだ。本当にありがとうと思う。それにしても、ちょっと休み好きなんではないですか。待ってるよ。