Squarepusher : Selection Sixteen
ARTIST / Squarepusher
TITLE / Selection Sixteen
LABEL / warp
DATE / 1999
TITLE / Selection Sixteen
LABEL / warp
DATE / 1999
2172。Lサイドによるレビューはこちら。ミニアルバム含めるなら5枚目。何やってよいのか、これからどうしてよいのかわからない時期とされますが、アシッドな音に向き合いっていて、古き良き真摯さを感じることができます。前作までしばらく、打ち込みを控えて、生音をかちゃかちゃとインプロチックに慣らす手法でもって、プレイヤーとしての自分に向き合っていただけに、過去に遡行するかのように、丁寧な音の厚みと選択によってデリカテッセンが咲き誇るIDMが形成されている。古典のような響きってのは、本作のような形でもって、習作的に繰り出されることによって、常にリバイバルし続ける。よいものは、時代を超えても、良い元として再提示され続ける。M5の不穏な旋律によってキャッチーさを担保する手法など、ドリルン的な色彩は控えめですけれども、その後展開するSquarepusher絵巻の手本となるようで、決して古きにのみ没入しているわけではないのでご安心を。それまでのややこしい部分から抜け出し、クリアな脳みそでリハビリを始めた彼は、その後きちんと傑作をものにすることになるとは、この時点でだれが予測できただろうか。だから10年以上たった今でも、僕たちはJenkinsonの動向から目を離せないでいる。