Squarepusher : Go Plastic
ARTIST / Squarepusher
TITLE / Go Plastic
LABEL / warp
DATE / 2001
TITLE / Go Plastic
LABEL / warp
DATE / 2001
2173。あれ、俺これ結局持ってたっけってな1枚。持ってないのにレビューしようとしてたりして。多少の喜びを胸に盤屋に駆け込む程度に音楽に夢中だった頃であるし、しかもSquarepusherの新譜である。多少の喜びは、多少ならざりける興奮になっていたろうし、そうであるに。Aphex Twinのような亜種のシンプルさでもって、アシッドな魂を抱え始めたときSquarepusherも、ただのwarpの一人気作家になったとさえ思えるけど、スタイリッシュかつ高らかなスタイルの宣言であった1stから、自身のベースプレイヤーとしてのティティを拡張した古臭い楽器演奏という方向性、そしてさらに暴力的な感性でもって達成した古き良き、それでいて今様なアシッド宣言をしてのける彼に対して、僕たちはただあっけにとられ、そうじゃないんだよ、でもこれも良いなぁという、片思いの感性を研ぎ澄ませるわけである。wikiによると、本作ではコンピュータによる操作は行われておらず、エフェクトにはEventide DSP4000とOrville、 シーケンサーにはBOSS DR-660とYamaha QY700、シンセサイザーには Yamaha TX81Z、FS1R、そしてサンプラーとしてAkai S6000が使われているという。これを読んでなるほどと思って、それをそろえることで本作のような音世界が構築できるのかどうかは謎であるし、多分やすやすとは出来ないのだろう。Jenkinsonが抱えるセンスってのはそういう類のものなのだ、と神話や哲学を信奉するような確かさでもって、僕たちは彼を感じるのである。決して、名盤と呼ばれるような1枚ではないし、衝撃という点でも、それはそれはもう、たいしたことないけれども、それは停止することを名前に掲げながらも、走り続ける天才が放っているからこそである。そしてここから、彼のデジタルな旅は始まる。傑作"Ultravisitor"まであと少しだ。