V.A : Artificial Intelligence II
ARTIST / V.A
TITLE / Artificial Intelligence II
LABEL / warp
DATE / 1994
TITLE / Artificial Intelligence II
LABEL / warp
DATE / 1994
2142。過去盤レビュー。多分僕が1番最初にかったAIシリーズではないだろうか。記憶は定かではないけど。本作に先立つこと2年前にシリーズ1作目と比べると、役割は終えていたようで、さほど展開がある作家たちが参加しているわけではないように思う。シリーズとしても8枚目で、最終作という位置づけだしね。参加者紹介です。Mark Franklin、The Higher Intelligence Agency、Mark PritchardによるLinkとこのあたりは、よく知らない面子です。そしてM4からはB12、Autechre、Speedy JとAIシリーズに関わる作品を残した看板作家たちが続きます。そしてまたBeaumont Hannant、 Cabaret VoltaireのRichard H. Kirk、Balilとまたなんともふんわりな人たちが並び、最後にSeefeelで占める。なんか並びだけではいまいちですよね。自走するロボットたちの夢は、ベッド・ルームで果たされるというようなSF的夢想のなかで、未来に偽装した純粋無垢なテクノ・ミュージックが模索されている。本作が投げかけたものが、シーン全体においてどの程度のインパクトがあったかは、その後のEDMの展開を概観する必要があるだろうけど、身体性から解放されたテクノは、本シリーズにおいてその有用性が証明されていると僕は思うのだった。そりゃシリーズ1作目の強烈さには勝てないけど、2作目だって決して悪いわけじゃないと思うんだ。みんな、なんとなく乗り気になれなかっただけだと思うんだ。そのまま、残る人は残り、残らない人は時代に取り残されていったという。でも本作で輝いている人たちは、今でもリリースがあるたびに適度に紹介されているし、僕がB12に心酔するようにコアなリスナーが執着し続ける程度の功績は残した。それで十分だろう。本作がリリースされてまもなく20年が過ぎようとしている。世の中はクソッタレのままだし、音楽は世界を救わないままだ。