Squarepusher : Music Is Rotted One Note
ARTIST / Squarepusher
TITLE / Music Is Rotted One Note
LABEL /warp
DATE / 1998
TITLE / Music Is Rotted One Note
LABEL /warp
DATE / 1998
2159。3rd。ちょっとこなれてきたためか、どうも響きにくくなってしまっているし、1st2ndについては、今聴いても心ときめくけど、本作からしばらくはちょっと食傷気味な感じである。悪くはないと思うし、Squarepusherならではな感じなのはもちろんなのだけど。ちょっとずつ抽象へと瓦解していくのが、あまりあってないという感じでしょうか。どうもきびきびとした打ち込みを期待している風情は秋って感じだからか、それを抑圧してまで望んだ生音への傾倒ってのが、ジャズでもなく、テクノでもなく、そのハイブリッドでもなく、亜種を突き詰めた感じで、とらえがたく、不安で、音楽の広がりの不気味さもあいまって、暗い気持ちになるからかもしれない。シーケンサーもサンプリングさえも使わないというもはや人力による自身のテクノ的な手法の再現に近いなにかとなっている。鬱々。鬱々。インプロってのもあるのかもしれないにゃあ。猫もそわそわするなぁ。当時のインタとか呼ぶと、とにかくアドリブを重ねているだけなので、録音にも苦労しなかったという。なんという変態おじさんなのだろうか。ベーシストとして、その後インプロ盤をリリースするということもやってのけるJenkinsonだが、もはや若手とかのレベルではない高みで音楽制作に当たってしまっているという。ちょっとかわいそうといえばかわいそうな境地に、すでに立たされているという。そーゆー意味では、ちょっと頭の大きめな批評空間では、明快な娯楽作である2ndのあとのリリースであることを踏まえて、若年性天才症候群としてとらまえちまえば、本作はとても評判が高くなってもよい部類なのかもしれません。すげえのはすげえから。いわゆる問題作というか。軽やかにやってのけられた実験作といいますか。