V.A : State Of The Union - DC Benefit Compilation
ARTIST / V.A
TITLE / State Of The Union - DC Benefit Compilation
LABEL / dischord
DATE / 1989
TITLE / State Of The Union - DC Benefit Compilation
LABEL / dischord
DATE / 1989
[63-71]。ハードコアってなんか、衝動にそった悪いイメージがあるけれど(個人的にだけど)、ちゃんとチャリティへの意識だってあるわけで。本コンピによる利益はアメリカ自由人権協会と地元ワシントンDCのホームレスシェルターのために捧げられることになりました。ジャケもなんかホームレスのおっちゃんたちだし。いやあ、ハードコアってよいですね。優しいですね。音楽のスタイルはとっても激しいんだけどね。そんな殊勝なチャリティコンピに参加している人たちをご紹介。NirvanaやFoo FightersのDave Grohlも参加したことのあるScream、Alec MacKayeによるIgnition、Soulside(参考1)、Broken Siren、Foo FightersのNate MendelもメンバーだったChrist On A Crutch、King Free、Girls Against Boysの Eli JanneyやScott McCloudらによるRain、 Minor Threatのメンバーでレーベル共同オーナーのJeff Nelsonが参加した3、Marginal Man、FugaziのBrendan CantyとGuy Picciottoが参加したOne Last Wish、そして我らがFugazi、Thorns、Fire Party(参考1)、Fidelity Jones、Red Emma、Shudder To Thinkといった面々。半分以上しらないバンドです。それでもなんか、地元愛、人間愛に満ちたメンバーがそろって、ハードコアとは愛であることを突きつけてくれます。よい1枚ですね。80年代末の1枚ですが、とても魅力的で、ダサくない。音楽をしている。愚直に音楽をしている。別に僕は抽象的な普通名詞にチャリティでいつくしみを捧げることを美徳とはしてはいない。でもなんか、よいなぁと思うこの感覚。不思議だね。また、眺めてみると、オルタナをある方向から準備しているメンバーもちらほら。ほほえましいです。本作で新鮮なのは、だぶだぶしいグルーブで勝負しているScreamと、こちらもポストパンク的なアプローチですかすかでありつつ緊張感に満ちた演奏をしているFidelity Johnes。面白いですね。現在はリマスタリングが施されて、CDで入手可能です。まだ利益は寄付されているのかわかりませんが、微々たる効果しかなかったであろうし、本作のようなものであれば、かすかな慈善の感傷でもって、お金を払ってもよいかもしれませんね。中古で買っておいてあれですが。