V.A : Clicks & Cuts 3
ARTIST / V.A
TITLE / Clicks & Cuts 3
LABEL / mille plateaux
DATE / 2002
TITLE / Clicks & Cuts 3
LABEL / mille plateaux
DATE / 2002
[60-71]。Lサイドによるレビューはこちら。以前紹介したシリーズ"Clicks & Cuts 2"。届かない愛。届けたい愛。寝ることがもったいないくらい、感情がひりひりとする。失望され、心が痛む。そんな感じ。さて、なんだかmille plateauxの盤をレビューするたびにレーベルが現在どういう状況にあるかを報告している気がします。いったんクローズし、その後色々な経緯があって、2010年に再出発したわけだが、キチンとリリースが重ねられているのかは不明。わからん。もう全部わからん。"Clicks & Cuts"は同レーベルが一時的であれ、電子音楽界でシーンを形成する、かもしれないレベルにまで名を広めた重要、なのかもしれないシリーズです。その3作目。2枚組み。メンツは、現在何をやってるのかよくわからん人たちのほうが多い並び。でも当時は輝いてました。多分。それでは超絶駆け足で適当に並べてみましょう。Snd(参考1)、Frank Bretschneider(参考1)、mp系のAndreas Tilliander、 Frank EltingとStephan LiebのデュオによるMRI³、Bizz Circuits(参考1)、Geeez 'N' Gosh(参考1)、Alva Noto(参考1)、ドイツ系テクノプロデューサRobert BabiczによるRob Acid、Johan FotmeijerによるClaudia Bonarelli、なんかよく分からないBoris Polonski、DAT Politics(参考1)、Benjamin Wynnによるneo ouija・merck系のLuomo、Vladislav Delayでrastr-noton系のAntonelli Electr、force-ink系のMikael Stavöstrand、David Nicholas BrownとJames Stephen Taylorによるstudio !k7系のSwayzak、fälltなどからリリースのあるDavid DonohoeとDonnacha Costello(参考1)の共作 、 Christian Nikolaus ConradとMarcus Weiserによるmp系ユニットRechenzentrum、noise factoryからリリースのあるRobin Judge、Antye GreieによるAGF、mpやkrankyからリリースのあるTim Hecker、Ekkehard Ehlers(参考1)、Franz PomasslによるPomassl 。もういいかな。もはや適当に注釈つけてるけど、本質的でもなんでもない。つまり、これほどまでに拡散し、特に目立つことなく消えていったユニットや音楽家たちがたくさんいるのだということ。しかし、時代の要請はシーンを浮かれさせ、適度な流通でもって僕の耳に届いた作家たちもいくらかはいるということ。それで終わりである。本作がリリースされた10年以上の年月がたった。21世紀の浮わついた日々ってのは、安定的な平和(と表面上、たいそうな人間が供述している)によって、平坦な日常化しているかのかもしれない。そこには、ドゥルーズにいかれてレーベルをスタートさせ、それでもって多少なりとも影響的な身振りを発揮するような人々はいなくなってしまった。ポピュラー音楽は、過渡期は通り過ぎて、何がなんだか分からない鳴り物に成り下がってしまったのかもしれない。それでもなお、音楽は鳴り続けている。かすかな希望を、笑いと怒りのブルースに変えて。それで良いのかはわからないけれど、鳴ってるんだから。事実として。とりあえずは、それで、僕はまだ安心している。