The Cinematic Orchestra : Man With A Movie Camera
ARTIST / The Cinematic Orchestra
TITLE / Man With A Movie Camera
LABEL / ninja tune
DATE / 2003
TITLE / Man With A Movie Camera
LABEL / ninja tune
DATE / 2003
2036。総合芸術とか抜かすくせにしょうもないものばかりが発表されていたと感じ、映画を唾棄すべき形式として軽蔑していた僕の目を開かせたのがDziga Vertovによるサイレント映画『カメラを持った男』である。これを見てぼくは、カメラの持つ無限の可能性、そして、それが構成する視覚芸術としての映画の答えをみた。そして総合芸術として、音楽が僕の見たVerでは大きな貢献をしていた。そのVerが当時のものなのか、それとも、このブランニューな音楽が当てられたものだったのかは覚えていない。というかそもそも当時音楽がつけられる技術はあったのか。それはおくとして、その音楽が、すげえ好み、と思ったことも確かなので、実はこれだったのかもしれない。分からない。映像に合わせて作られた本作を、それだけ取り出すということが冒涜であることは否定できない。それでもninja tuneの看板ユニットであるThe Cinematic Orchestraの音楽には、それ自体としての響きも許されているだろう。ちなみに、このサントラが乗っかった、このジャケと同じパッケージに包まれたDVDも、めでたく去年リイシューされて、今は比較的手に入りやすい状況となっているようで、喜ばしい限りである。決して押せ押せではない、かなり押さえたジャズフレイバ、nu-jazz的な着実なプレイとサントラという形式に酔いしれるのが正解だろう。歴史的サントラである。というか歴史的映画なのである。