TV On The Radio : Desperate Youth, Blood Thirsty Babes
ARTIST / TV On The Radio
TITLE / Desperate Youth, Blood Thirsty Babes
LABEL / touch & go / 4ad
DATE / 2004
TITLE / Desperate Youth, Blood Thirsty Babes
LABEL / touch & go / 4ad
DATE / 2004
1710。myspace。Lサイドによる長大なレビューはこちら。この頃の基本メンバはBabatunde Adebimpe、David Andrew Sitek、 Kyp Maloneの3人。現在は、さらにJaleel Bunton、そして先日亡くなったGerard Smithを含めた5人編成になっていた。本作は、全編にわたってループを活用する手法が、80年代以降の脱人力の流れ、ポスト・パンク、ニューウェーブといったスタイルに近接している。それゆえに、その波を強烈に推進した4adからリリースしているという点において、彼らはしっかりと歴史に文脈化される。個人的な音楽史を参照すれ、スタイリッシュなThe Beta Bandといった感じがしないでもない。彼らはイギリス、こちらはアメリカという決定的な違いがあるが。楽器が弾けなくてもよい、というパンクの現実的な問題意識はすでに破綻しているけれども、ループを多用することによって形成される音楽性がそれに似てくるというのはなかなか面白い部分ではある。Davidを除いて全員がブラックであるという民族性を参照し、おそらくそこから謎のソウルネスを読み取るという言説を多く見るけれども、そんなことはどうだって良い。要は彼らがやっていることが新しいのか、どうなのかということだろう。その辺の解釈はLサイドの熱っぽさに譲るけれども、もう少し見てみないとTV On The Radioがポピュラー音楽史に巨大な足跡を残すかどうかを肯定的に眺めることは難しいように思う。どこまでも単純に、ところてん化した脳みそでとらまえてみるに。とはいえ、盤としてのクオリティは異様に高く、1stとは思えない完成度を誇っている。新人とはいえないキャリアの持ち主が集まったのであろうが、評価されてしかるべき存在感を有しているのは疑う余地がないと思う。後は歴史が証明する。