Sonic Youth : Rather Ripped
ARTIST / Sonic Youth
TITLE / Rather Ripped
LABEL / geffen
DATE / 2006
TITLE / Rather Ripped
LABEL / geffen
DATE / 2006
1724。myspace。主要盤としては15thくらいか。色々な転機を迎えて放たれている。ひとつには、Jim O'Rourkeが抜けたということ。これにより、多くのリスナーはかつてのSonic Youthに戻ったという。んなわけない。しっかりとO'Rourukeを経由した音になっている。穏やか過ぎるミックスが気になるところではあるが、繊細な音への気配りが、本当にノイズとして鳴らしているのかという違和感さえ提示する。見事としかいえない。しかし、それゆえに、カロリーがオブラートに包まれ、やや平坦さを感じさせるという感想もあるかもしれない。冷静すぎる、あるいは、そのように出力されすぎている、という。しかし、どこを切ってもSonic Youthの旋律と抜け、そしてたゆたいがあるから、俺たちのSonic Youthはまだまだそのまま、それで良いといえるのである。彼らにしか作れない、模倣を許さないという点において、作られる盤は、常に大いなる足跡の一部なのだと思う。ふたつめの変化として、本作を最後にSonic Youthはgeffenを去ったということ(正確には、1枚レア音源集を出しているが)。理由としては、最近の彼らの盤の扱いが気に食わないというものだったらしい。このような状況の変化が、本作で、あるいは次作の"The Eternal"で現れているのかは分からないけれども、状況とはときに大きな力を持つ。それは、もしかしたら今後のセールスにかかわるかもしれないから。しかし、俺たちのSonic Youthは、確固たる主体として、なんら変わらない「美しさ」を届けてくれる。それは2011年の現在において、俺たちのなかであっさりと証明されているのだ。近年、アヴァンギャルドな方向性は、それぞれのソロであったり、自身のsonic youth recordsにおいて存分に遊ばしている彼ら。それゆえ、表立ってリリースされる(というと御幣があるが)作品群は、今後も一流のポピュラー音楽として、洗練されたそれとして、提示され続けるのだ。2006年当時でも、50歳前後の偉大なる巨人たち。ありがとう、Sonic Youth。変わり続けてくれて、そのままでいてくれて。俺たちは、ただ、愛を捧げるだけだ。