Common : Finding Forever
ARTIST / Common
TITLE /Finding Forever
LABEL / geffen
DATE /2007
TITLE /Finding Forever
LABEL / geffen
DATE /2007
1700。myspace。以前紹介した盤"Electric Circus "。7th。限定盤ではDVDが付属しています。J Dillaにささげられた名作。前作"Be"で愛称のよさを示したとされるKanye Westがほとんどの曲をプロデっている。Kanyeさんのときにメロウをきかせたトラックメイキングのセンスは言うまでもないが、それをどこまでもキャッチーに処理していくところにCommonの力量を感じざるを得ない。M7ではDJ Premierのお家芸的なスクラッチを聴くこともできてなかなか贅沢な気分になれる。M9ではボーカルにD'Angeloを招き、J Dillaがプロデをつとめた曲を聴くことができる。J Dillaの"The Shining"にすでに収録されている曲らしいが、2人の最後の仕事ということで、収録せざるには得なかったのかもしれない。安定したビートを軸にジャジーでメロウなトラックがD'Angeloの声と溶け合い、見事な1曲となっている。誰かを追悼するという、意外なほどにプリミティブな行為が、なぜこれほどまで心を撃つのか考える必要がある。誰かのことを想うという、ホモ・ソーシャルの機能が、その矛先の不在によって現金な偽善から抜け出すことができるとでもいうのか。資本主義において、そのような行為は、多くの場合パフォーマティブな動機を内包している。本作も、死と金を結びつけた便乗盤なのだろうか。もちろん僕は、それが悪いとは言わないし、その可否を提出できるほどCommonのことはしらない。しかし、本作が仮に拝金主義だとしても、それ自体が、現在のヒップホップという音楽を文化的に下支えしている以上、価値あるものとして肯定されてしかるべきだろう。人は死ぬが、音楽は永遠だ。それが本作のテーマらしい。金を取れ、その価値があるものに対して。これが、本作を輝かせているモチベーションだと信じたい。それは決してJ Dillaへの冒涜にはならないだろう。ブラザー精神など、もはや有意味なものとして響かないということを信じたい。われわれがブラザーであることは、自明なのだから。