Sufjan Stevens : A Sun Came!
ARTIST / Sufjan Stevens
TITLE / A Sun Came!
LABEL / asthmatic kitty
DATE / 2000 / 2003
TITLE / A Sun Came!
LABEL / asthmatic kitty
DATE / 2000 / 2003
1630。ジャケも変更し、ボートラもつけてリマスタリイシューされた1st。オリジナルはasthmatic kittyのカタ番がakr001である模様。LRともに、今最も新譜が待たれる作家の1人であるSufjan Stevens。彼の1stということで、一応押さえておく必要を感じた。あまり1stに戻って語られていない点から見ても、彼の核心が本作にあるとは思っていなかったが、予想以上にその核心成分がなかったのでがっかりした。萌芽はある。バンジョーっぽい音も聞こえる。本作もほとんど自作自演なのだろう。ただ洗練がまったくない。ブシもほとんど感じられない。近作の諸傑作では、暗い曲でもクリアで静謐に仕上げていたStevensさんですが、本作ではどこまでも暗いだけで終わっている。というか旋律にアクロバティックな展開がなく、フレーズが単調に繰り返されているというのもあまり好ましくない。総じて普通である。これが本当にあのSufjan Stevensかと思わせるほど。電子への傾倒など、一筋縄でいかないということで装飾されているキャラクターの一側面として、本作を片付けることはできない。なぜならこれは1stだからである。現在のSufjan Stevensのことを踏まえるならば、1stを制作するとなったらかなり思い入れたっぷりに取り組むと思うのだが。しかしそのこだわりを嗅ぎ取ることが僕にはできない。演奏もかなりつたない部分があって、あえてそうしたといわれても決して納得はできない。天才が残したあまりに標準的な盤は、時に多くの駄作と同等のレベルへと相対化されてしまう。残念ながら、それが天才の宿命なのかもしれない。