Labradford : Prazision LP
ARTIST / Labradford
TITLE / Prazision LP
LABEL / kranky
DATE / 1993
TITLE / Prazision LP
LABEL / kranky
DATE / 1993
1611。久しぶりのkrannkyですね。もう買いたいと思うレーベルではないのですがLabradfordの1stということで食指が動いた次第です。それだけでなく、krankyのカタ番001にあたる盤でもある。LabradfordはPan•AmericanことMark Nelsonと、Carter Brownという人が組んだユニットなわけですけれども、その後 Robert Donneという人(現在Spokane)が加わりました。Donneさんはすぐに抜けちゃった見たいですけど。2001年のリリースを最後に現在のところ沈黙を保っておりまして、スローコアなる言葉はLabradfordの実質的な終焉によって幕を閉じたのかもしれません(ちなみに本作は2007年にリマスター盤が特殊ジャケでリイシューされたみたいです、復活への布石かとも思われましたが)。93年の盤であることを考えると、なかなか野心的であると思います。遅く遅くをモットーにしながら、ギターとキーボードで音響空間を演出し、ボーカルもぼやーと乗せていきます。まさにkrankyサウンドの基礎的な枠組みが本作において提示されているということが分かるでしょう。ドラムレス、ベースレスであるという点を踏まえると、曲構造自体はそれまでのロック・ミュージックでありつつも、その一般的な最小構成から逸脱しているという意味では「ポスト・ロック」的であるし、指し示す方向性がドローン/アンビエントという音響重視のサウンドであるという点も鑑みれば、なかなか興味深い盤といえる。もちろんわれわれは93年が重要な意味を持っていることを知っているしね(一応言えば、Tortoiseのプロダクトデビューの年です)。本作以前に同様のアプローチをとったバンドないし作家がいたかどうかは不勉強のために知りませんけれども、おそらくいたにせよ、歴史とは関係の上で成立するわけで、その同時代性には注意を喚起しておく必要があるでしょう。もちろんTortoiseとLabradfordに実際の関係があったなんて話は聞いたことないけど。以外にAlbiniあたりがジャンクションになってたりするかもしれないけど。あと、実は僕はLabradfordの盤は本作しか持っていないので、その後彼らがどのように展開していったのか分かりませんのであしからず。歴史探訪としては興味深い1枚です。ジャケも好きだな。