Thee More Shallows : Book Of Bad Breaks
ARTIST / Thee More Shallows
TITLE / Book Of Bad Breaks
LABEL / anticon
DATE / 2007
TITLE / Book Of Bad Breaks
LABEL / anticon
DATE / 2007
1564。本当はanticon的な場所にいたわけではないのでしょうが、anticonの中核であるOdd Nosdam(cLOUDDEADのメンバ)とThee More ShallowsのメンバDee Keslerがご近所さんだったために交流が始まったらしい。Thee More Shallowsは現在3人組で、Keslerの他にChavo FraserとJason Gonzalesという面子からなる。65daysofstaticをリリースするmonotream recordsから2枚リリースし、その後turn recordsというところから1枚リリースしたあと、満を持しての4thが本作となる。anticonも良く分からんレーベルだが、本作などを聴くと、懐かしいやらこっぱずかしいやら、結構べたべたなインディーロックな旋律を備えている。コンポジションのセンスはそんなに感じないかも。とはいえ、楽器構成などには、いろいろやってみようという心意気が見える。それもまた、典型的なあれらと通じる心意気ではあるのだが。退屈とはいわないけれども、少なくとも本作を聴いて僕はぴくりとも勃たない。このような勃起不全はもちろん本質主義的な、絶対的な当の音楽の性質というものがあって、それに起因するものではない。それでは困る。結局のところ予想や期待にいかに沿うか、ということなんでしょう。少なくとも僕の中で。それはクオリティだけが重要なのではなく、音楽のタイプや全体的なテクスチャも含んでいると思う。少なくとも、僕がanticonに期待するのはこれではない、という。多くの人はレーベル買いなどしないかもしれないが、anticonはそれがマーケット的に推奨されている数少ないレーベルだ(ただレーベルで買え、ということではなく、その意味するところはanticonというレーベルアンダーグラオウンドヒップホップというジャンルと結びついているということ)。良質なインディーポップなら、anticonで捜すよりも、別の店で探したほうがよい、という話。もちろんうまく料理されたanticon風の皿が出される可能性もあるし、それは裏メニューとしてかなり人気を博すだろうけど、端的にいって本作がその裏メニューに当たるかは疑問である。というか、言い方を帰れば、Thee More Shallowsはもっと大きな店で供されるべきだと思う。大味なところを調性しつつ、わかりやすさで勝負すれば、人気が出そうなもんだが。