Walter De Maria : Drums And Nature
ARTIST / Walter De Maria
TITLE / Drums And Nature
LABEL / __________
DATE / 2000
TITLE / Drums And Nature
LABEL / __________
DATE / 2000
1500。個人かつ非営利かつ日本国内でレビューした枚数としては結構な分量ではないでしょうか。どうでもいいですが。Lサイドとあわせれば2000枚は行くでしょう。これ以上やってるブログなどがございましたら教えてくださいませ。特別にあれとかあれとかをレビューしようかしらんと思いましたが、いつものように粛々とやっていくことにします。で、今期はWalter De Mariaです。「ミニマル・アート」を研究したものとしては、思い入れがないわけではない。といってもまったく扱いませんでしたが。むしろランド・アート/アースワーク的な文脈になるみたいですね。有名なのでは平原に鉄塔立てて雷落とす環境アートでしょうか。日本ではもちろん、直島の地中美術館に彼のための祭壇があります。あれなんて手法としてはシステムの採用など部分的に「ミニマル・アート」引きずってるわけですけど。多くの作品の性質ゆえに、なかなか日本で個展が開かれないとは思いますが、一気にたくさん見てみたい気持ちもありますね。さて、1935年サンフランシスコ生まれであり、若手のころは他の多くの作家同様ハプニングなどのホットな動向にコミットしていたわけです。友人にはLa Monte Youngがいます。この辺からようやく音楽的に展開しそうな匂いがしますね。もっとわれわれ一般の関心にひきつけるとすれば、この人、The Velvet Undergroundの初期ドラマーなんですね。Andy Waholとのダイナミックな関係性がどうしても気になりますね。なので本作でもドラマーとしてのD3De Mariaを聴くことができるわけです。全2曲。M1'Ocean Music'は1968年制作。フィールドレコーディングであろう波の音に終盤からドラムと電子が混入して来るタイプ。M2'Cricket Music'は1964年制作。高速ドラムロールから始まり、変則的なドラムの組み合わせによる興味深い曲。ドラム好きにはたまらないでしょう。一応盤面のクレジットには年代順にトラックが記述されています。僕自身も、まったく期待しておらず、ただある種の作品を所有するという欲望のもと、3000円くらい出して買ったわけですけど、これがなかなかいいですね。特にM2。陶酔感のあるドラムは微妙にずれているような感覚によってすばらしく聴かせる。時代性に回収するのはよろしくないですが、これは今リリースされてもかなり受け入れられるのではないでしょうか。むしろ今だからこそ受け入れられるということなのか。このリリースがどういう経緯で実現し、本人がどのようにかかわっているのかわかりませんが、往々にしてこういうものは作家にとって恥部の露呈として認識されることが多い。その辺の情報が欲しいところです。本人によるものにしろ、勝手につけられたものにしろ、本作のタイトルはきわめてヒロイックといえる。本作によってDe Maria研究が進むことが期待される。あと、discogsによれば、Jon Hasselの盤にドラムで参加しているというクレジットがありますね。録音状態も妙にいいです。傑作でしょう。