Plumbline / Roger Eno : Transparencies
ARTIST / Plumbline / Roger Eno
TITLE / Transparencies
LABEL / hydrogen dukebox
DATE / 2006
TITLE / Transparencies
LABEL / hydrogen dukebox
DATE / 2006
1499。生粋のhydrogen dukebox所属作家PlumblineはWill Thomasというかたのプロジェクト。そしてここにきてといいましょうか、偉大なる血族のひとりRoger Enoです。いうまでもなくBrian Enoの兄弟ですね。最近はMetamaticsがJohn Foxxを招致するなど、意外なところで過去電子を参照しているように思われるhydrogen dukeboxですが、このよううな試みはおもしろいので是非続けて欲しいところです。しかも其処いくの、にくすぎるやん、という選択だからいいんですね。まあ作家間の個人的なつながりというのもあるでしょうけど。詳しくはわかりませんが、フィールドレコーディングされた音色にRoger Enoがピアノやらの音色を足して、それをPlumblineがいじくるという手法をとったようです。ありていに言えば、有機的アンビエント担当のRoger Enoと無機的電子IDM担当のPlumblineとでもいいましょうか。それまでもあったでしょうけど、www時代に急進的に発達した方法論とでもいいましょうか。いい時代になったものです。Plumblineのほうも気を使ったのでしょうか、それほど主張しすぎることなく、Roger Enoから提供された素材をいまく生かす方向で仕事を進めているように感じられる。素敵やん、めっちゃ素敵やん。しかしもちろん形式を与えるのはPlulmblineなわけで、素材と形式の見事な宥和がなされることにより、現在の美学的にも大いに評価されるべきコラボレーションになっている気がします。たしかに卓抜な斬新さがあるわけではないかもしれませんが、圧倒的安定感、安心感がありますし、単なる昨今の高水準電子としてのみ了解するには惜しい実践だと思ってしまいます。どことなくジャパニーズな旋律性が潜んでいるので、日本人受けも良さそうだ。この盤を聴いて良くないという人はいないのではないでしょうか。偉大なる兄にのみ関心の寄せているのではありません。われわれは偉大なる弟にも大いなる敬意と尊敬を差し出しているのです。無邪気なリスナーに対して本作は(もちろん本来はそうある必要ないのですが)その担保として十分機能するに違いない。