Borah Bergman : Meditations For Piano
ARTIST / Borah Bergman
TITLE / Meditations For Piano
LABEL / tzadik
DATE / 2003
TITLE / Meditations For Piano
LABEL / tzadik
DATE / 2003
1385。John Zornによって前衛シーンを紹介するtzadik。そのなかでも結構な枚数を重ねているradical jewish cultureシリーズの1枚が本作。tzadikは海外の盤にしては珍しく帯をつけているのですが、それによると、Borah Bergmanは60年代後半以来ニューヨークのダウンタウンの音楽コミュニティで伝説的存在だったらしい。全編ピアノ1本で、非常に冷たい旋律を弾いております。少なくともリズムの観点から言えばジャズの文法とは言いがたいけれども、その範疇に入れられるようだ。西洋古典の響きを引きずっているようにも感じられ、妙に表現的である。多分ユダヤ系とカテゴライズされる音楽の集合に少なからずリファーしているのでしょうが、僕にはちょっとわかりません。ひとついえることは、本作が非常に個性的で、大いに聞かせる盤であるということでしょう。決してテンションはあがりませんが、おそらく楽典に基づきながら絶妙にずらして組み合わされた音の要素が気持ちがよく展開していきます。浅薄な知識からいえば、このような質感はサティのそれを想起しますが、Borha Bergmanによるプレイはそのスタイルが可視化されるほど身体的であるといえる。身体のゆれ、指の引きつり、不安的な呼吸までもが脳裏を刺激しているような幻想を与えてくれます。たまにこういう盤が混ざってるといいですよね。