Orchestra Terrestrial : Here And Elsewhere
ARTIST / Orchestra Terrestrial
TITLE / Here And Elsewhere
LABEL / die stadt
DATE / 2001
TITLE / Here And Elsewhere
LABEL / die stadt
DATE / 2001
1379。die stadtというのも渋いレーベルでパッケージやリリース内容含めトータルで好きなんですが、あまり集まりませんね。本作は限定1000枚なんですが、この手のものにしてはそれほど少なくないですし、もっと流通してもいいと思うのだが。Orchestra Terrestrialは膨大な別名義を持つRichard H Kirkによるもので、本作が本名義での1stみたいです。なんといってもこの人はCabaret Voltaireの初期メンバーということで注目されますが、その老獪な電子へのまなざしは本作でも気持よく現象しています。アンビエント傾向とはいえ、結構なテクノ文脈寄りと考えてもいいかもしれませんね。warpからリリースしたりもしてますし。シェフィールド出身みたいです。Wagner、Debussey、Mozartといったクラシックへの造詣も深く、本作でも深みのあるフレーズを聴かせてくれている。音は先端のものではないと感じますけれども、90年代初頭のA.I.シリーズをお上品にした趣があってかなり好みです。旋律は抑制され気味ですので、美麗さはやや減退しますけれども。かなりアンビエント要素も強く、ふぁあとなります。die stadtがもつ小難しいイメージは払拭されてしまいました。ときどきインボルブメントが解かれてしまいますが。良い内容だと思いますね、これは。聴いてみてください。直接の源泉として利用はしていないでしょうが、やはり古典への意識というのは大切だとわかります。